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「LIVE & CULTURE」 WEB MAGAZINE by HOT STUFF

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食べ物つながりで歌を味わうコラム 「よんで きいて たべる」 第1回 サンドイッチ/サンドウィッチ

サンドイッチって
すぐに食べ終わってしまう。
発明させたといわれる
有名な伯爵の例(真偽は不明)を
持ち出すまでもなく、
その手軽さがもちろん魅力で、
しかも見た目もあざやか。
明るい恋のはじまりに
いかにも似合っている。
そこにあるのは
正方形のミックスサンドや
バゲットサンドかな。
とにかく厚いやつ。
オープンサンドもいいね。

いっぽう、自分がノッてない時に食べる
特にコンビニエンスな薄いやつは
カラフルな断面がそんな気分を
際立たせちゃってなんかつらい。
おまけに無機質にパッケージングされた鋭角が
ささくれた胸をちくりと刺してくるようで。


カラフルも、グレイッシュも、
さまざまに挟み込んで食べると
短い時間で気持ちが変わる。
サンドイッチの角は
これからをてっとりばやく導く
矢印の先だったのかもしれない。
ただのおいしい端っこでもいいけど。

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何が挟んであるかもろくに見ないで
口につめこんだサンドイッチ。
中身なんてなんだっていいよ。
僕の頭の中はこれから会えるあなたのこと。
急いで知りたい教えて欲しいあなたのこと。
フィッシュマンズの描いた
「僕」は恋を予感した。

 

チャンスがいくつか到来して、
いよいよ恋がはじまったら
大好きなあなたに
わたしのサンドウィッチを
ほおばってほしい。
ハムやチーズを
茶色いパンにのっけて
楽しいピクニックしましょう と
大貫妙子の描いた
「わたし」が誘う。
おしえてあげたい、しあわせ。

 

サンドイッチのパンの外側に
男女は向かい合い
恋の層はどこまでも成されていく。
まぶしいときめき。
空はきっと青い。

 

まぶしすぎるコンビニの陳列棚、
食べたかった具のおにぎりがなくて
仕方なくサンドイッチを選んだとき
高橋優の描いた彼はひとりぼっちだった?
いや、たぶん…ちがう。
他人の態度で一喜一憂していた。
空回りが連続したって
ははは、大丈夫、1・2・3ドイッチ!なんていきおいで
ぱくりといっちゃおうよ。どうにかなるもんさ。そうだよね。

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今回とりあげた曲


フィッシュマンズ『チャンス』
歌:フィッシュマンズ 作詞:佐藤 伸治 作曲:佐藤 伸治
収録アルバム
『Chappie, Don't Cry』
(1991.5.21リリース)他
http://hp.ponycanyon.co.jp/short/sakuhin/PCCA000050245/
Official Site:http://www.fishmans.jp


大貫妙子『しあわせのサンドウィッチ』
歌:大貫妙子 作詞:大貫妙子 作曲:大貫妙子
収録アルバム
『SHOOTING STAR IN THE BLUE SKY』
(1993.09.22リリース)他
https://www.universal-music.co.jp/onuki-taeko/products/toct-95225/
Official Site:http://onukitaeko.jp/


高橋優『サンドイッチ』
歌:高橋優 作詞:高橋優 作曲:高橋優
収録アルバム
『リアルタイム・シンガーソングライター』
(2011.04.20リリース)他
https://wmg.jp/takahashiyu/discography/7281/
Official Site:http://www.takahashiyu.com

 

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