chord

「LIVE & CULTURE」 WEB MAGAZINE by HOT STUFF

「LIVE & CULTURE」 WEB MAGAZINE

食べ物つながりで歌を味わうコラム 「よんで きいて たべる」 第2回 そば

熱れと陽炎と蝉時雨が
感覚を奪い、
あらゆる物事の境目が
曖昧になってゆくような、
夏。まっ盛り。

昼だか夜だか
わかんない時間、
一緒に居る相手は
よくわかんない間柄。
(だが絶対に親しい)
さあなにを食べる?
 
そんな時はそばがいいかな。
さらりとしなやかに?
否、構えつつ?
どう向き合おうかー
なんてしてる間に
運ばれてきたそばを一口。
その尖端がぼんやりした
脳と身体をかけめぐる。

のどごし滑り落ちれば
またいつものユルーい日常。
勘定も間違っちまいそうだ。
あぁこんな感じが延々続いてくんだなー
…と思わせといて、

終わりだけは
しっかりはっきりきっちり
来るんです。夏。

 

そしたら次はあったかいのをね。


f:id:ayaco_m:20180801091425j:plain


夏の正論。
それはソバ。
スチャダラパーが描いた「みんな」が
本屋の帰りにたぐってた。
いっつも食べてても
格別に感じられるのは、
誰のせいでもない夏のせい。
 
夏の結論。
夏は暑い!
暑さで朦朧と
してるうちに
いつのまにか
すべては秋になって
この夏のことを
忘れてしまうのかな。
 
 
眼に映る茜色の空が
彩度を失っていく。
今はいつだろう。
退屈なTV。
美味くないザルソバ。
なにかの不在のまわりを
なにかが漂い、
流れていく。
その空虚さを
ceroの描いた
主人公は
眺めていた。
 
 
なんとも言いようのない「なにか」の間を
そばはしゅるっと通り抜けていく
 
 
自分がまったく無価値に思えるときもある。
そんなとき、中島みゆきの描いた「あたし」は
「おまえ」に誘われて蕎麦屋に向かった。
泣きそうになりながら
とんがらしかけすぎちゃったたぬきうどんを食べる。
からいからか、「おまえ」の言葉のせいなのか
涙の理由はわからない。
ただ、寄り添ってくれるありがたさはわかるんだ。


今回とりあげた曲
スチャダラパー『サマージャム'95』
歌:スチャダラパー 作詞:M. Koshima/S. Matsumoto/Y. Matsumoto. 作曲:M. Koshima/S. Matsumoto/Y. Matsumoto.
収録アルバム
『5th wheel 2 the Coach』
(1995.04.26リリース)他
http://schadaraparr.net/discography/album/
http://amzn.asia/gZblnte (※Amazon購入サイト)
Official Site:http://www.schadaraparr.net


cero『DRIFTIN'』
歌:cero 作詞:高城晶平 作曲:橋本翼
収録アルバム
『Obscure Ride』
(2015.05.27リリース)
http://kakubarhythm2.shop-pro.jp/?pid=92337426
Official Site:http://cero-web.jp


中島みゆき『蕎麦屋』
歌:中島みゆき 作詞:中島みゆき 作曲:中島みゆき 編曲:後藤次利・中島みゆき
収録アルバム
『生きていてもいいですか』
(1980.04.05リリース)他
https://www.yamahamusic.co.jp/artist/detail.php?product_id=271&artist_id=59
Official Site:https://www.miyuki.jp
 
#スチャダラパー
 
#cero
 
#中島みゆき