食べ物つながりで歌を味わうコラム 「よんで きいて たべる」 第4回 たこ焼き
お店で食べても、
お祭りの屋台で買っても、
家で自分で焼いても、
パーティで誰かに焼いてもらっても、
日本全国飛び越えて
きっと全世界津々浦々、
どこで食べても
安心の味と、平和なフォルム。
それがたこ焼き!
生地をくるくるっと
回しているうちに
まぁるくなる。
それに比例して
親密度も増すような。
湯気の中に浮かびあがる、
でこぼこの球体は
なんとも言えない愛らしさ。
たまには不恰好なのもいたりして。
たこ焼きとともに舟に乗って
のんびりたゆたう秋のはじまり。
お祭りもまだまだ、これから。
いつもはつかの間の小さなデートなのに
ある日突然、「あなた」に誘われ
塾をさぼって行ったたこ焼き屋さん。
これはすごいデート!とドキドキ♡
Berryz工房の歌った「わたし」の
初恋はソースのにおいと共に。
いつか一緒に住んだりすんのかなー…
なんて夢見たりもしたかもね。
そんな大人の恋人同士になったら…
奥華子の描いた「私」は
擦れ違いの日々の中で、
「あなた」が焼くこだわりの
たこ焼きを楽しみにする。
たこやきは誰かに作ってもらうと
特においしく感じる。
色々あっても
家にたこ焼き機があるふたりは多分
大丈夫なんじゃないかな。
どろどろの生地に、たこを入れて、
隠し味に情も加えて、ころころ回していると、
いつの間にか丸くできあがっている。
何かに似てない?
槇原敬之の描いた「僕」は
ひと懐っこすぎるあの町の思い出を
手の中にあるたこ焼きみたいだと感じた。
でこぼこした、焦げムラのついた、
蒸気を含んだ、あたたかくて、
やわらかい球体。
その中には、なんとも言えない
かすかな無印の情が
たこの足のようにクルンと
うずまいているのかもしれない。
今回とりあげた曲
Berryz工房『さぼり』
歌:Berryz工房 作詞:つんく 作曲:つんく 編曲:平田祥一郎
収録アルバム
『第(2)成長記』
(2005.11.16リリース)他
http://www.up-front-works.jp/release/detail/PKCP-5061/
奥華子『TAKOYAKI』
歌:奥華子 作詞:奥華子 作曲:奥華子 編曲:sugarbeans
収録アルバム
『good-bye』
(2012.02.22リリース)
http://music.ponycanyon.co.jp/short/sakuhin/PCCA000003539/?REF=MUSIC
Official Site:http://okuhanako.com
槇原敬之『尼崎の夜空を見上げて』
歌:槇原敬之 作詞:槇原敬之 作曲:槇原敬之 編曲:槇原敬之
収録アルバム
『LIFE IN DOWNTOWN』
(2006.02.22リリース)
https://makiharanoriyuki.com/profile/album/(※discographyのページ)
Official Site:https://www.makiharanoriyuki.com